起床後の朝の時間帯は体を活発に動かせるよう交感神経が働きます。交感神経は血管を収宿させて血圧が上がったり、さらには、朝は夜間睡眠時にかく汗により血液が固まりやすくなっているため、朝に心筋梗塞は多いのです。
また、夜間や早朝など、ほぼ決まった時間帯に起こる胸痛発作は、不安定狭心症・異型狭心症とよばれ、段階的に、心筋梗塞に進展する可能性がありますので、注意が必要です。
心筋梗塞の原因には次のような生活習慣の方は注意が必要です。
①メタボリックシンドロームの方・特に、早朝高血圧症の方
② 喫煙
③ 飲酒
④ ストレス・過労・長時間労働・睡眠不足
⑤ 家族に心筋梗塞がいる家族歴のある方(要因となる生活習慣や食嗜好が一緒の為)
⑥ 加齢による血管の老化現象
心筋梗塞の予兆を見逃さないために、次のような症状に注意ください。
① 体がだるい。動悸や息切れがする。
② 左側の背中や肩が痛む。
③ 左手の小指が痛む。
④ 吐き気、嘔吐、胸やけ。
⑤ 冷や汗や脂汗が出る。
⑥ 意識がなくなることがある。
⑦ 胸やみぞおちの圧迫感を伴った痛み
⑧ 奥歯や下顎の痛み
心筋梗塞の予防法
・就寝前と起床後に1杯の水を飲みましょう。
・起床後すぐに、急激な運動は避けて、ゆっくり起きる習慣をつけましょう。
・目覚まし時計は少しずつ音が大きくなる、スヌーズ機能で!大音量だと交感神経系が一気に緊張し、急に血管が収縮したり心拍数・血圧値が上昇したりします。
・日頃から、生活習慣の見直しと、かかりつけ医による健康診断をしっかりお受けになる事をお勧めします。
(文責・認定内科医 稲葉 敏)