生活習慣の改善で血液を健康に

痛風と高尿酸血症について―足の親指のうずきは痛風の始まり!ー

いなば院長からの医療コラムです。(2025年1月20日)

高尿酸血症について

血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えている状態が、高尿酸血症です。これは、食事や飲酒、生活習慣のみだれや運動不足やストレスなどが原因とされ、自覚症状はなく、健康診断などで指摘されることが多いのです。

高尿酸血症の方の80%が、高血圧症、肥満、糖尿病、脂質代謝異常症などの何らかの生活習慣病を合併されていることが多く、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などの発症率を高めていることがあり、注意が必要なのです!

 

高尿酸血症のタイプについて

 

プリン体と尿酸の関係について

「プリン体」は、食物全般に含まれており、また私たちの身体の中でも産生される物質です。この「プリン体」は、私たちの細胞の新陳代謝やエネルギー代謝に使われる大切な物質です。この「プリン体」が体内で分解されて生じる代謝産物が「尿酸」なのです。「尿酸」は主に尿に溶けて排泄されますが便や汗でも排泄されます。また、体内での量は「尿酸プール」として一定量に保たれています。これら産生と排泄のバランスが崩れると「尿酸プール」があふれて血中の尿酸値が高くなり「高尿酸血症」になるのです。

 

痛風と高尿酸血症の関係

痛風と高尿酸血症について 高尿酸血症を放置していると、尿酸が結晶化して関節や様々な部位に溜ります。これを白血球が破壊しようとして炎症と激しい痛みが起こります。尿酸の結晶は、顕微鏡で見ると「針状結晶」の為、組織の破壊が強く、さらに局所の「痛み」と「腫れ」と「熱感や発赤」をともないます。まさに触れられると「痛みが増す!」ので「風でも痛む」と言われてきました。これらを、「痛風発作」「痛風関節炎」と呼びます。

痛風発作は、足の親指の付け根(第一関節)が発症しやすいですが、その他にも、足首・足の甲・膝・手首・肘・アキレス腱・手指の関節などにも発症します。痛風発作は約一週間程度で治まることが多いのですが、放置や再発を繰り返すと症状はますます増悪することが多くなり、関節の腫脹や変形などが起こるため、適切な治療が必要です。

 

高尿酸血症の治療について

高尿酸血症の治療では、血清尿酸値6.0mg/dl以下を目標に尿酸値を下げる治療を進めていきます。高血圧症・肥満などの生活習慣病の見直しが治療の柱ですが、患者さんの状況に応じた薬物療法を追加します。

高尿酸血症の診断や治療については、皆様の生活習慣に寄り添った指導や薬物療法を行って参ります!どうぞ、当院に、お気軽にお申し付けください。(いなば内科クリニック院長 稲葉 敏)

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